老後のことを考えて玄関の上がり框の高さを思い切って10cmにした。さらに玄関のたたきが狭いので、視覚的に広く見えるのではないかといった期待もあった。
しかし実際に使ってみると実に不便で、失敗したと後悔している。バリアフリーではなくユニバーサルデザインの場合、高齢者や障害者に使いやすいものは、若者にも使いやすいというものである。段差の小さい玄関は、バリアフリーであってもユニバーサルデザインではなかったのだ。
帰ってきた時はいいのだが、出かけると時に靴を履くのに不便である。もちろん上がり框のそばに小さな腰掛を置けば解決するが、幅が狭い玄関なので邪魔になる。さらに現在一般的に使われている25cm程度ならば、上がり框に下に靴が並べられるように隙間を作ることができる。狭い玄関では、空間を立体的に活用する必要がある。
ユニバーサルデザインにならないならば、むしろ必要になった時にどうバリアフリーに改装できるか前もって配慮しておけば、それまでの使いやすさを優先していいのではないだろうか。