1階を玄関、寝室、和室、洗面、トイレ、浴室にし、2階全部を使ってオープンなLDKにした。設計の打ち合わせの段階でも2階のトイレをどこに設けるかが難問であった。リビングやダイニング、キッチンの使い勝手を考えると、トイレは階段の近くの中央部にならざるを得ない。しかしそれではどこからもトイレの入り口が見えてしまうし、トイレの水を流す音も聞こえてしまう。
なにしろワンルームなので廊下がなく、トイレに入るためのクッションのスペースが見つからない。結局お客さんは1階のトイレ、家族だけの時は2階のトイレも使うということで、2階にもトイレを設けることにした。しかしできあがって見ると、家族だけで使うといっても、どこからも入り口が見えてしまうトイレは、失敗だった。
2階のトイレは、1820mm×910mmでトイレと手洗いとが1部屋になっているが、これを1820mm×1365mmにして、トイレと洗面とを分けるようにすべきだったと言える。こうすればリビングなどからまずドアを開けて、洗面に入り、さらにドアを開けてトイレというようになる。ドア1枚でトイレというのが心理的気まずさを生んでいるようである。