狭い家なのでしかたなく玄関の脇に、トイレを設けることになった。玄関のたたきから、トイレのドアが見えるのは、さすがよくないと思って、玄関のたたきの横にトイレを設置し、トイレのドアは玄関ドアと平行にした。これならばたたきからは見えないので、玄関の脇でも安心と考えた。
しかしできあがってみると、放尿の音や水洗を流す音が玄関に聞こえてしまうことがわかった。不意の来客があった際に、音を出した後にトイレのドアから出てくると、ドアが見えないにしても、いかにも今まで用を足していたことがわかってしまう。一度そうした気まずい思いをすると、それからは誰かくるのではないかと、落ち着いてトイレもできない。
たとえ狭くてもトイレは人目がつかない場所がいい。誰かがトイレに入っている時は、玄関の中に他人を入れないことが、わが家のルールになっている。